指揮者のひとりごと13

指揮者のひとりごと…振りの基本…その13
土田和彦さん(W64年卒)の文章です。

指揮者のひとりごと…振りの基本…その13
今までの繰り返しになるかもしれませんが、私の指揮者として前に立つ時の心構えと申しますか気持ちに添って書き連ねてみたいと思います。
 毎回毎回何度も同じ言葉の繰り返しで読みづらいとは思いますがお許しください。
 今まで自分が出来ているから〝指揮者は誰にでも出来る〟との想いを持って、事あるごとにそう言ってきました。
 でも、10年ほど前からその思いがちょっと違うのではないかと思い始めてきました。Free lanceとなるに至らざるを得なくなった主な原因がこの思いに纏わってそれが強くなったからです。
 というのも前言を翻すようですが、やはり〝指揮者〟という存在は誰よりも〝強い意志〟と、それとは相反するようですが、人としての〝繊細な感覚〟…〝叙情性〟とか〝感性〟という心に受けとめる人として持っている〝感性〟というものでしょうか?…を持って臨まねばならないと思われてきたのです。
 先にも申し上げましたように、指揮者は生涯〝学び続けなければならない〟存在として強い意志を持って切磋琢磨し続けていかねばなりません。少しでも怠れば自分の技術が後退するだけでなく変な癖が付いてしまい、それを直すのにもっと大変な時間と努力が必要になります。だから時間があれば基礎技術…振りの基礎その3掲載…を毎日連続して習練…修練…しなければなりません。
 そして何より大切なことは曲から溢れる情緒の総てを伝える事が出来るように細かい表現を工夫して…しかも独り善がりにならない技術を…身に着けていかねばなりません。
 ステージでは指先の一振り以外に伝える手段はないのですから、曲の持つ情緒に自分の心に湧き出ずる熱い想いを乗せて想いの総てを伝えられるよう豊かな表情を込めて表現したいものです。
 そのためには自分の周りに溢れる色々な豊かな情緒を感じ取る心…感性…がなければならないと強く思っています。だから事あるごとにあらゆる事象から発せられる情報を心豊かに繊細に感じ取る心を養っていかねばならないのではないでしょうか。この〝感性〟があるかないかが指揮者を任せられるか否かの分かれ目のような気がします。
 素晴らしい指揮者は曲に書かれた作曲家…編曲家…の想いを引き出し、自分の感性という絵の具でその上に素晴らしい彩色を施していくことが求められ、それに応えるように自分の感性を豊かに働かせていくことが大切となります。与えられた曲をしっかり分析すると共に書かれた曲想をどのように解釈し変化させていくか、それが指揮者に求められる音楽性であり芸術性だと思います。 
フリーとなった今、気持ちの上で余裕を持って今まで続けてきたこと…指揮者としての大切なことなど…を纏めてみようと思い立ったのです。と同時にこれからの時間…人生の最後に残された余裕の時間…をもう一度学び直したいという思いも湧き上がってきたのです。
 お陰様でこの春から積極的に学びの場を与えられて、再び広く音楽のこと、芸術のことに留まらずスポーツや日常生活のことなどあらゆる分野にわたって学びの場に身を置いて頑張って居ます。

user.png C69卒 藤山 time.png 2025/02/22(Sat) 10:25 No.697
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