片山さん私の投稿でお気遣い頂きまして申し訳ありません。
当方の投稿でこのページを独占してしまわないように何日か毎に投稿している訳ですので、どうぞ間に会員の皆様の活発な投稿も期待しています。また「指揮者のひとりごと」につきましてもご意見、感想などをお書き頂ければと思います。
まだまだ続きます。よろしくお願い致します。
指揮者のひとりごと…振りの基本…その5
私は、常に〝指揮者は挑戦者であれ〟ということを大切にし、色々な事柄に対し興味を持ち知ろうとすることが大事だと思ってきました。そして選曲においても団員の皆さんの力量よりも少し高めの…難曲とまでは行かなくても少し苦労して譜読みをすることで皆の技術が高まるような…曲を設定し、且つ自分の持つ技術を少し超えたところに焦点を置き選ぶようにしてきました。
それは、少しでも楽に譜読みが出来るようになって貰うことと同時にちょっと難しい部分を熟すことで達成感と同時に自分の持つ技術が向上するということを大切にしてきたからです。だから曲創りにおいても常に〝合唱音楽〟〝合唱芸術〟といったことを頭に置きその実現を目指してあらゆる方法を駆使して皆さまに伝え理解してもらいながら纏めてきました。
そしてそのことと関連して私は、〝音楽は哲学である〟と説いてきました。特に〝合唱音楽〟はその素敵なメロディとハーモニー、時にはリズムによって詩と融合した音楽として私たちの心の中に素晴らしい世界を齎します。素敵な音の広がりと共に言葉の持つ力強い…時には繊細な…パワー…意味合い…を受けとめ深く考えつつその感動から受ける力によって自分の半生を振り返り、行く末・未来に向かって能力の総てを以て挑もうとする気力を得るのです。そこに〝音楽は哲学である〟という所以があると思っています。
また私は、〝音楽は物理学である〟とも〝音楽は数学ある〟とも言って来ました。それは言うまでもなく音楽の音は空気を震わせて伝わる音波の原理を駆使することで響きのある歌声として創り上げることあり、まさしく〝倍音〟はこの音の仕組みを物理学として捕らえたものですし、数学的にも〝倍音〟の原理、純正音…純正調…として原音の1/2分割、1/3分割、1/4分割、1/5分割・・・といった数字の組み合わせによって解明されており、私たちはその数字の中にはまり込むことを目指して各パート内の声を一定の波長に合わせ、各パートを組み合わせて響かせることによって自分たちの発している声の上に…実際には出していない高い声である…〝倍音〟が聞こえてくるのです。私は何度もこの〝倍音〟を体現しましたし、一度〝倍音〟を体感すると虜になってしまいそこ…合唱活動…から抜け出せなくなってしまうのです。正に私はこうして今も〝合唱活動〟〝音楽活動〟から抜け出せていません。
そして〝音楽は哲学である〟ということを私の〝音楽創り〟の信念として、合唱曲を創り上げるときには必ず詩を大切にし、その言葉の奥にある作詞者…詩人…や作曲家の心を読み解き、自分の人生観と抱き合わせで解釈し、深く彫り込みながら音の流れに色彩を与えるべく音の強弱だけでなく緩急を織りまぜながら心から溢れる情感を曲に乗せていくのが私の曲創りの方法です。
私はまた、常々〝指揮者は孤独である〟ということを言ってきました。それは指揮者という立場は団員からの情報…本音…が届きにくいということです。前にも書きましたが常にアンテナを張って団員がどのような考えを持っているか、どんな思いで歌いに来ているのか、またどのような曲が歌いたいのかなどを知るように心がける必要があると思います。そしてその団員の思いと自分の想いを重ね合わせて練習のやり方を考えたり曲を選んだりしなければなりません。
どのように持って行けば団員の歌いたい心を満たせるかを感知し練習方法として確立させ、そこに指揮者としての想いを注ぎ込むようにするための表現の方法を考えていく必要があります。それが団員の心と心を合わせることであり指揮者の考える曲想…曲の表情…を塗り込めていく作業であると思います。これが私の曲創りにおける基本的な考え方であり姿勢なのです。
私はいつも…練習においてもステージにおいても…私の振る曲にはやさしさとあたたかさを盛り込みたいと思ってきました。特にステージでは、聴いていただく方々へのメッセージを載せてひとつの物語を設定し、曲順を考えていきます。次回はそのことについても触れてみたいと思っています。