唱歌の歴史についてⅣ
C’77卒 石田事務局長 
2023/02/04(Sat) 07:36 No.527
先週は日本国歌 『君が代』 について説明しました。自分より相手の長寿・幸せを祈る歌、それが 『君が代』 。
ところが世界の国歌は大体次のように①②の二種類に分けられるのが普通です。
① 国あるいは国王に対する祝歌
《イギリス国歌》 “God Save the King（神よ国王を守りたまえ）”で国王に対する祝歌である。
♪ 神よ我らが慈悲深き国王を守りたまえ 我等が高貴なる国王の永らえんことを……
https://www.youtube.com/watch?v=S72AG4NJXC4 ユーチューブ演奏は堂々たる合唱ですね。
《ドイツ国歌》 ハイドン作曲。１９１９年に成立のヴァイマル共和国から正式に国歌として採用され、第二次大戦後の西独そしてドイツ統一後の現在も国歌として受け継がれています。
♪ ……兄弟のように心を重ね手を取り合って 統一・正義・自由は幸福の証し 幸せの輝きの中 栄えよ祖国ドイツよ！
https://www.youtube.com/watch?v=n7tdnxDmPBE ドイツを讃えた重厚な合唱です。
C’77卒 石田事務局長 2023/02/04(Sat) 07:36 No.527
Re: 唱歌の歴史についてⅣ
C’77卒 石田事務局長 2023/02/04(Sat) 07:41 No.528
② 軍歌・戦時の歌
《フランス国歌》 “ラ・マルセイエーズ” は、１８世紀末フランス革命戦争の際に兵士の士気を鼓舞するために作曲された。
♪ ……武器を取るのだ、我が市民よ！ 隊列を整えよ！ 進め！進め！ 敵の不浄なる血で耕地を染めあげよ！
https://www.youtube.com/watch?v=1ASDpJZp1aA すごく勇ましく戦闘的な国歌で圧倒されます。
《アメリカ国歌》 19世紀初めの米西戦争戦場での星条旗を讃えたものです。
♪ ……砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 我等の旗は夜通し翻っていた ああ、星条旗はまだたなびいているか？ 自由の地 勇者の故郷の上に！
https://www.youtube.com/watch?v=_EvxizL5alg&t=11s 砲弾が飛び交う中も夜通し翻っていた星条旗を讃えた威厳ある雰囲気の国歌。
《フランス国歌》 “ラ・マルセイエーズ” は、１８世紀末フランス革命戦争の際に兵士の士気を鼓舞するために作曲された。
♪ ……武器を取るのだ、我が市民よ！ 隊列を整えよ！ 進め！進め！ 敵の不浄なる血で耕地を染めあげよ！
https://www.youtube.com/watch?v=1ASDpJZp1aA すごく勇ましく戦闘的な国歌で圧倒されます。
《アメリカ国歌》 19世紀初めの米西戦争戦場での星条旗を讃えたものです。
♪ ……砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中 我等の旗は夜通し翻っていた ああ、星条旗はまだたなびいているか？ 自由の地 勇者の故郷の上に！
https://www.youtube.com/watch?v=_EvxizL5alg&t=11s 砲弾が飛び交う中も夜通し翻っていた星条旗を讃えた威厳ある雰囲気の国歌。
C’77卒 石田事務局長 2023/02/04(Sat) 07:41 No.528
Re: 唱歌の歴史についてⅣ
C’77卒 石田事務局長 2023/02/04(Sat) 07:52 No.529
以上４つの欧米国の国歌を代表例として挙げました。それに対し 『君が代』 は全く異質です。祖国や国王を讃えるのではなく、また国を守った戦いを誇らしく歌うのでもありません。あなたの長寿を願う歌。
『君が代』を国歌として選ぶ時点でその候補となる歌はいくらもあった。『万葉集』には「大君」すなわち天皇の賛歌が何首でもあるそうです。柿本人麻呂も作っています。しかし大君が歌われたものは選ばれなかった。あえて自分ではなく相手の幸せを祈る歌『君が代』が選ばれているのです。
そして和歌という形の文学作品ですから当然解釈も色々されるものなのです。先に否定的に書きましたが天皇賛歌という理解もされています。さざれ石が巌になるなど科学的に見てオカシイと主張する人もいます。
和歌についてはド素人であるただの一般国民である私は次のように受け取っています。「千代に八千代に さざれいしの 巌となりて こけのむすまで」の極めて長い期間はあなただけでなく、あなたが住まうこの日本国もそれだけ長く存在し続けるようにとの願いも込められていると。
× × × × ×
色んな曲の演奏をユーチューブから引用して紹介してきましたがこの連載も明日で終了です。明日最後に引用する演奏はやはりそれなりのものとしようと思っております。ヨロシク。
『君が代』を国歌として選ぶ時点でその候補となる歌はいくらもあった。『万葉集』には「大君」すなわち天皇の賛歌が何首でもあるそうです。柿本人麻呂も作っています。しかし大君が歌われたものは選ばれなかった。あえて自分ではなく相手の幸せを祈る歌『君が代』が選ばれているのです。
そして和歌という形の文学作品ですから当然解釈も色々されるものなのです。先に否定的に書きましたが天皇賛歌という理解もされています。さざれ石が巌になるなど科学的に見てオカシイと主張する人もいます。
和歌についてはド素人であるただの一般国民である私は次のように受け取っています。「千代に八千代に さざれいしの 巌となりて こけのむすまで」の極めて長い期間はあなただけでなく、あなたが住まうこの日本国もそれだけ長く存在し続けるようにとの願いも込められていると。
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色んな曲の演奏をユーチューブから引用して紹介してきましたがこの連載も明日で終了です。明日最後に引用する演奏はやはりそれなりのものとしようと思っております。ヨロシク。
C’77卒 石田事務局長 2023/02/04(Sat) 07:52 No.529
Re: 唱歌の歴史についてⅣ
C’77卒 石田事務局長 2023/02/05(Sun) 07:55 No.530
昨日からの外国国歌のお話の締めくくりです。
去年の２月２４日にロシアがウクライナ侵攻。それから間もない３月１４日、米国ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でロシアに抗議しウクライナを支援するためのコンサートが開催されました。冒頭でウクライナ国歌が演奏され下記ユーチューブ動画はその模様です。
https://www.youtube.com/watch?v=8_JNAQo4xHo
国歌演奏が始まると満席の観客は当然のことながら全員起立、合唱をバックにウクライナ人バリトンによる力強い魂のこもった独唱！この演奏は動画の視聴だけでも会場の張りつめた雰囲気に圧倒されます。観客には在米ウクライナ人やウクライナ系米国人も多く集まってきていたことと思います。
ウクライナ国歌の歌詞の意味は下記の通りです。この歌詞がまるで２月２４日のロシア侵攻後に作られたような、侵略を受けた今のウクライナ人の気持ちを表現していると思えます。
侵略を受けた国の国歌というものはまさに自国民の団結の象徴、敵国に対する抵抗のシンボル。そのようなものとして歌われます。
《ウクライナ国歌 歌詞の意味・和訳》
ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り
運命は再び我等に微笑まん
朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう
我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ
自由のために身も心も捧げよう
今こそコサック民族の血を示す時ぞ！
《ウクライナ国旗の表すもの》
ウクライナの国旗は、空を表す青色と、小麦畑を表す金色の二色から成る。下の画像の右側は青空の下に広がるウクライナの麦畑であるがそれをそのままデザイン化したものが左側のウクライナ国旗です。
× × × × ×
今回の連載はウクライナ支援の気持ちを込めて締めくくらせていただきます。ちなみに昨日紹介した国歌もみなウクライナ支援国のものでした。
長らくのお付き合い、ありがとうございました。
去年の２月２４日にロシアがウクライナ侵攻。それから間もない３月１４日、米国ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でロシアに抗議しウクライナを支援するためのコンサートが開催されました。冒頭でウクライナ国歌が演奏され下記ユーチューブ動画はその模様です。
https://www.youtube.com/watch?v=8_JNAQo4xHo
国歌演奏が始まると満席の観客は当然のことながら全員起立、合唱をバックにウクライナ人バリトンによる力強い魂のこもった独唱！この演奏は動画の視聴だけでも会場の張りつめた雰囲気に圧倒されます。観客には在米ウクライナ人やウクライナ系米国人も多く集まってきていたことと思います。
ウクライナ国歌の歌詞の意味は下記の通りです。この歌詞がまるで２月２４日のロシア侵攻後に作られたような、侵略を受けた今のウクライナ人の気持ちを表現していると思えます。
侵略を受けた国の国歌というものはまさに自国民の団結の象徴、敵国に対する抵抗のシンボル。そのようなものとして歌われます。
《ウクライナ国歌 歌詞の意味・和訳》
ウクライナの栄光は滅びず 自由も然り
運命は再び我等に微笑まん
朝日に散る霧の如く 敵は消え失せよう
我等が自由の土地を自らの手で治めるのだ
自由のために身も心も捧げよう
今こそコサック民族の血を示す時ぞ！
《ウクライナ国旗の表すもの》
ウクライナの国旗は、空を表す青色と、小麦畑を表す金色の二色から成る。下の画像の右側は青空の下に広がるウクライナの麦畑であるがそれをそのままデザイン化したものが左側のウクライナ国旗です。
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今回の連載はウクライナ支援の気持ちを込めて締めくくらせていただきます。ちなみに昨日紹介した国歌もみなウクライナ支援国のものでした。
長らくのお付き合い、ありがとうございました。
C’77卒 石田事務局長 2023/02/05(Sun) 07:55 No.530