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なおゆき氏の定演評〔3st-〕 投稿者:石田事務局長 投稿日:2019/12/14(Sat) 06:45 No.1872

一昨日から連載のこの企画、今日は第3ステージです。

×   ×   ×   ×   ×

【3st 先生曲『友よ、君の歌を』】

さて、15分の休憩をはさんで第3ステージは伊東先生指揮の混声合唱組曲『友よ、君の歌を』(作詞:みなづきみのり、作曲:千原英喜)。
4回生は1回生からコサージュをつけてもらい、緞帳の向こうでは整列完了です。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 06:53 No.1873
この曲集は3年前、同志社コール・フリューゲルさん(府大合唱団にはおなじみですね)の第50回記念定演のために委嘱されたもので、ピアノだけではなく多種多様な楽器が登場します。

初演時には弦楽器と打楽器が用いられていましたが、今回はピアノに加えて3曲目「空泳ぐ魚」と5曲目「木よ、風よ、星よ」でタンバリンやマラカス、クラベスなどが出てきました。

こうした楽器はすべて団員が持ち寄ったものです。タンバリンとかならまだ分かりますが、せきま君やAlt.のうめちゃんが持っていた楽器はもう名前すら分かりません。いったいどこで売っていたのでしょうか。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:00 No.1874
去年の定演では力強いボディーパーカッションが印象的でしたが、今年も様々な演出が加わっています。先に述べた打楽器のほか、3曲目ではステップを刻み、5曲目クライマックスではオーダーが散らばって、より広い空間で演奏されます。

また5曲目入りと同時に照明が一気に50%まで落とされ、まりえ先生のピアノソロでは照明が0%になってスポットライトのみがまりえ先生を照らします。

ソロが終わり、オーダーが広がると同時にライトは100%に切り替わり、ラストに向かって一気に勢いが最高潮に達します。

合唱そのものについては各パート講評でまた触れますが、よく歌えていたと思います。特に今年は低声部が芯のある声を出せていたために、ハーモニーも心地よく響いていました。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:04 No.1875
それにもまして今年は、あるときにはオーダーで顔を見合わせたり、自然な笑顔で歌ったり、あるときには噛みつくように必死に歌っている姿に感動しました。
音程が合っていること、強弱、ハーモニー、ことばももちろん大事なのですが、それよりもまずはお客さんに向けて全力で演奏を届けようとすること。これこそが演奏会で最も重要なことだと思います。

「上手い演奏」はCDやパソコンでも聴くことができますが、「良い演奏」は直接会場に足を運ばなければ決して味わうことはできません。
いま私は演奏会録音を聴きながらこの文章を書いていますが、定演のときのあの感動、緊張感、あの圧倒的なエネルギーと熱狂は一回きりです。
そうした舞台芸術ならではの一回きりの感情を見事に演出できたことはこの演奏会の大きな成功です。

これからも合唱の技術やテクニックに加えて、何かを伝えようとする「必死さ」、あのステージと客席との境目がなくなってあたかも同じ感情を共有しているかのような一体性を味わわせる演奏会を作っていかれる、と期待しています。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:19 No.1877
【アンコール】

5曲目が終わった後、伊東先生がお話されている間にオーダーは並びを変え、アンコール曲「うたおう」(作詩:みなづきみのり、作曲:千原英喜。実は2014年の定演でも同じ形で歌っています)。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:21 No.1878
拍手の後は、きゃしーさんが出てきました。デザートのあとのステーキ、学指揮アンコールは「くちびるに歌を」(原詩:チェーザー・フライシュレン、訳詩・作曲:信長貴富)、7分半におよぶ大曲です。
この曲はドイツ語と日本語の訳詩から成っており、音程、強弱どれをとってもこの演奏会で最難関曲です。
それでも今まで18曲全力で歌いながら、この曲も最後の力を振り絞って立派に演奏していました。回生を問わず、何人かは泣いているようです。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:30 No.1879
きゃしーの見たことないくらい大きな指揮、まりえ先生のまるで鍵盤を叩きつけるような力強いフォルテ、
皆の歌声を譜めくりの一等席で聴かせてもらいながら、私は何やら身体の内側から熱が生まれてくるような、奇妙な高揚感が沸き上がってきました。

自分が歌っていない演奏会でここまで心を動かされたのは初めてかもしれません。

なおゆき氏の定演評〔3st-〕 - 石田事務局長   2019/12/14(Sat) 07:37 No.1880
【ロビーコール】

学指揮アンコールが終わって緞帳が下りるやいなや、団員たちは客席最前列に並んでロビーコールです。
1曲目はたくろー君指揮の「今、ここに」(作詩:伊藤玲子、作曲:松下耕)。この曲は彼のお気に入りであり、まだぎこちなさが残りつつも曲に対する彼の思い入れが指揮からも伝わってくるようです。

2曲目は「Ride the Chariot」、恒例の4回生曲です。今年はテナーソロの歌い出しを伸ばし続けて、その間に写真を撮ったり、ロビーコールなので何でもありです。

3曲目は「鴎」、これもきゃしーさん指揮です。
挨拶は、唯一の3回生として合唱団を支えた せきま。
3年間色々なことがあった、一人また一人と辞めてゆく同回生を前に何もできず途方に暮れたこと、それでもなぜ自分だけは続けてきたか考えたときには憧れの先輩に近づきたい思いが自分を支えていたこと、
合唱団のメンバーと関わる中でたくさんの気づきに出会えたこと、自分と一緒に合唱団で活動してきた仲間がいたから決して一人になったとは感じなかったこと、
そして合唱団員への感謝を語っていました。一人になっても投げ出さず、ずっと合唱団に居続けてくれた せきま はよく頑張ったと思います。本当にありがとう。

「鴎」が終わって団員たちは、脇の扉からはけていきます。出演は1〜4回生合わせて33人、観客は192人と規模としては小さな演奏会でしたが、密度の濃い演奏会でした。

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なおゆきさんの評価文は明日が最終です、お楽しみに!

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