演奏会の表紙から〜編集長のコメント

<第4回演奏会>
さて今回は1961年の第4回定演のチラシが残っておりましたのでそれを載せます。サイズはB5の更に半分B6です。紙の質は薄いのでたくさん刷って、第1回演奏会の時と同様に他の音楽会などの折に会場前で団員によって配られていたと思われます。写りが少し不鮮明かもしれませんが、ご勘弁を。
《注意点》
◆入場料が100円です。ちなみに会場は第3回までは府立医大ホールでしたが、この年は前年開館したての京都会館第二ホールを使っています。入場料の横に小さく「プレイガイドにあります」と記載されております。この当時からすでに「プレイガイド」という言葉が使われていたんだと驚きつつ、この頃に一般のプレイガイドにチケットを置くなんてスゴイなぁと思いました。
◆注目すべきは下の囲み欄です。大垣書店の宣伝をちゃんと取っております!当時大垣書店の購買部が学内にあったことが分かります。(購買部としてその下に小さく京都府立大学内とあります)
◆宣伝で注目すべきは「筑摩書房の誇るフォノシート」と印刷してあります。今では死語となったフォノシートという言葉が出てきています。懐かしい言葉ですねェ。若い人のために解説すると、これはレコードの一種で材質はほんとに薄いプラスチックで、そのため両面が使えずに片面のみ音の溝の彫られたものです。合唱のビラらしく宣伝も「世界ポピュラー音楽全集」といったものです。

◆真ん中は第4回プログラムの3ページ目です。第1〜5回のプログラムは全て2ページ目に合唱連盟委員長や学長挨拶が載り、3ページ目には写真の通り曲目プログラムがきています。4ページ目以降が曲目解説と団役員・団員名簿となっております。ですから写真にある3ページも演奏プログラムが載っています。
◆演奏プログラムは写真では見にくいですが、第1部、第2部、第3部の構成になっていて、第2部が大阪府大グリークラプの賛助出演となっていて、曲は黒人霊歌5曲です。第1部は学生正指揮者と副指揮者がそれぞれ一回ずつ振り、第3部も同様に一回ずつ振り、結局は両指揮者はともに2回ずつステージに立つかたちです。最終ステージは「月光とピエロ」でした。
◆二つのプログラム共に府大周辺のお店などからの宣伝は当時の団員の努力の成果でたくさん入っています。音羽寿司とか力餅食堂、和菓子の笹屋吉清など懐かしい屋号が出てきます。第4回では19枠、第5回では16枠も取っており、共に最後の2ページは全面が広告です。これらの宣伝の中に、私の頃にはなくなっていた店で府立大学電停前「ステレオ喫茶コルト」というのがありました。当時の団員は、時々この店のステレオでレコードを聴いてコーヒーを飲んでいたのだろうか、などと想像してしまいます。
◆1961年の世相はといえば…ケネディが米大統領に・ソ連と東独がベルリンの壁構築・中ソ論争・『上を向いて歩こう』『スーダラ節』ヒット・洋画『ウエストサイド物語』・大谷ホール開館。
◆1962年の世相は…三河島の列車衝突事故・堀江青年太平洋ヨット横断・米ソ抗争でキューバ危機・ツイスト流行・『いつでも夢を』『王将』大ヒット・TV番組『ベン・ケーシー』・流行語「無責任時代」「青田買い」。府大ではこの年に下記のとおり大変動が起こっております…文家政学部と短大の学舎を下鴨へ統合・2号館(福祉学科、生活科学科)と3号館(農学、林学)竣工・生協による食堂と購買店営業開始